第74回大会(福岡国際マラソン選手権)令和2年12月6日
福岡市平和台競技場~福岡市西南部周回~香椎折り返し
午後0時10分スタート
(出場選手86人、完走者67人、天候晴、気温13.5度、湿度55%)
名前 |
所属 |
時間 |
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1. 吉田 祐也 |
(GMOインターネットグループ) |
2:07:05 |
2. 大塚 祥平 |
(九電工) |
2:07:38 |
3. 寺田 夏生 |
(JR東日本) |
2:08:03 |

 31キロ付近、先頭集団からスパートし、 藤本拓(2)らを引き離す吉田祐也(11)
吉田独走 マラソン初優勝 序盤転倒も大塚2位、寺田3位
福岡国際マラソン選手権大会は2020年10月、世界陸上競技連盟が選ぶ「世界陸上遺産」に認定された。第74回大会はその晴れやかなニュースが伝わった直後の開催となったが、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を色濃く受けた。
感染予防のため、出場は前回の458人から86人(完走67人)に絞られ、スタートは無観客の平和台陸上競技場1カ所に。海外招待選手を呼ぶことは見送られ、外国人は国内で活動する選手に限られた。沿道での応援も控えてもらうよう、大会事務局は新聞の折り込みやテレビCMなどで市民に広く呼びかけた。
12月6日午後0時10分、スタート時の天気は晴、気温13・5度、湿度55%、北西の風0・7メートル。30キロまで、5キロを14分50秒前後(フィニッシュ2時間5分台)という速いペース設定でレースは進んだ。
中間点で7人いた先頭集団はペースメーカーが外れた30キロで、吉田祐也(GMOインターネットグループ)、藤本拓(トヨタ自動車)、サイラス・キンゴリ(ひらまつ病院)の3人に減っていた。ここで藤本が力を振り絞って仕掛け、前に出た。すかさず吉田が31キロ手前でそれを捕らえて先頭に立つ。31キロ付近でキンゴリが突如、棄権した。
吉田は前半、集団後方につけて余力を残していた。以降は独走状態となり、記録との戦いに。終盤にきてペースは落ちたものの、日本歴代9位タイの2時間7分5秒でフィニッシュし、初優勝を果たした。
吉田は青学大4年の20年2月、初マラソンの別府大分毎日で日本選手トップの3位に食い込んでおり、今回が2回目のマラソンだった。福岡国際の日本選手としては、第54回大会(2000年)の藤田敦史の2時間6分51秒に次ぐタイム。日本歴代4位の記録を持つ髙久龍(ヤクルト)、東京五輪代表の服部勇馬(トヨタ自動車)が欠場した大会にあって、新鋭の力量を印象づけた。
2位は2時間7分38秒の大塚祥平(九電工)。7・5キロ付近で転倒というアクシデントにも冷静さを失わず、後半、第2集団から粘り強く順位を上げた。続いて終盤に追い込んだ寺田夏生(JR東日本)が2時間8分3秒で3位に入った。
藤本は失速して12位。前回3位の福田穣(NNランニングチーム)は11キロ過ぎの給水所での転倒が響いて13位、出場11回目の川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)は19位に終わった。20位だった16年リオデジャネイロ五輪代表の佐々木悟(旭化成)は今回が引退レースだった。

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